こころの健康アラカルト

人の視線が気になる「視線恐怖症」

人前に出ると異常に緊張して悩むことはありませんか?
「視線恐怖症」についてお話ししましょう。
視線恐怖症とは、人の視線が気になって緊張したりぎこちなくなってしまう病で社交性不安障害の一つとされています。人前でじっと見られている気がして不安や恐怖をおぼえたり、頭の中が真っ白になって何も言えない「視線恐怖症」。逆に人のことをじろじろ見てしまい、それが人に不快感を与えているのではないかと心配になる「自己視線恐怖症」などがあります。
心配な症状は、単に視線恐怖症と言うだけでなく「自分のことを変だと思われている」「嫌われている」という思い込みが強かったり、気分の落ち込み、意欲の減退、急にハイテンションになる、体がだるいなどの症状が伴っている場合は、統合失調症やうつ病、双極性障害など、ほかの精神疾患が原因となっている可能性もあります。
治療法は、視線恐怖症だけなら、薬物療法と認知行動療法を併用することで、多くの人が改善されています。ほかの症状を伴っているときは、原因となる精神疾患を特定し、それぞれに合った治療を行う必要があります。心配な場合は、早めに医師に相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント