こころの健康アラカルト

人前で話すことが苦手です

「人前で話そうとすると声が小さくなり、言葉に詰まることもしょっちゅうです。職場でも『もっとハキハキと話せ』と言われますが、話し方を治すことはできますか?」30歳・男性からの相談です。
ご相談者は「自分は舌が短いためか、濁った発音になってしまう」と言います。仕事でも電話の相手に聞き直されることがよくあり、話すことに自信が持てないそうです。
「人前でうまく話せない」ことをコンプレックスに感じる方は多くいらっしゃいますが、その原因は実に様々です。
話そうとすると不安が強くなり「頭が真っ白になる」「何を話しているのか分からなくなる」場合は、社交不安障害の可能性があります。また発達障害でコミュニケーションそのものが苦手という人、うつや統合失調症の人も同様にうまく話せない場合があります。子どものときに話し方を笑われて、話すことに自信がなくなってしまう人もいます。
ですが「うまく話せない」人の大半は、単に人前で話す機会とトレーニングが足りないだけと思われます。鏡の前で笑顔の練習をする、家族や友人の前で大きな声でゆっくりと話す、新聞や小説を音読する、などのトレーニングを続けて行けば、ほとんどの場合、話すことになれていくと思います。どうしても改善できないと感じた場合は、専門家にご相談下さい。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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