「半年ほど前から携帯電話の着信音に動悸が止まりません。自分の携帯でなくても着信音を聞くと気分が落ち着きません。」30代男性からの相談です。
例えば、借金の取り立ての電話があるなど、状況によって一概には言えませんが、動悸などの症状が慢性化していると治療が困難になります。
ですので、着信音を聞いても動悸がしない状況を作っていくことが重要です。
一つの方法として、着信音を思い浮かべてみます。それだけで動悸がするようであれば、すぐに受診すべきでしょう。
次に、自分で実際に着信音を鳴らしてみて、反応を確かめます。慣れるまで繰り返しトレーニングします。
次の段階として、家族や友人などから電話をしてもらい、慣らしていきます。 このように段階を踏んで対処していく系統的脱感作療法で、動悸が次第になくなるようであれば、大丈夫でしょう。トレーニング中は、携帯電話を一切使わないようにします。 どこかの段階で症状が改善しない場合は、専門医への相談をお勧めします。このような症状は、お薬を利用しての行動療法でほぼ改善できると思われます。
ただし、眠れない、だるい、頭痛、気持ち悪いなどの、その他の症状を伴う場合は、心の病気を患っている可能性もありますので、まずは専門医を受診し原因を確かめるべきです。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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