こころの健康アラカルト

原因不明の痛み?「疼痛性障害」

原因が分からず、頭・手・足・腹部・肩などさまざまなところがズキズキと痛むことはありませんか。もしかしたら「疼痛性障害」かもしれません。
痛みを感じるのに、内科や外科で検査しても異常が見つからず、さらに症状が長引く場合、不安やストレスなど心理的要因によることが考えられます。これが「疼痛性障害」です。痛みが激しくなり、家事や仕事など、日常生活に支障を来すようになると治療が必要です。
痛みは実際にありますが、手足など抹消部分が原因ではなく、脳内の神経系の異常であると考えられています。不安により痛みが増大されたり、逆に不安を取り除くと痛みが軽減されるという患者さんもいます。さらに、うつ病や統合失調症などが背景にあるケースでは、痛みに加え、気分の落ち込みや妄想などさまざまな症状が出ることがあります。 治療法は、背景にある原因を知り、抗うつ薬など薬物療法やカウンセリングを行っていきます。また、痛みが完全に消えなくてもある程度は、痛みと共存する方法を身に付けることも必要です。まずは専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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