こころの健康アラカルト

40代~50代主婦の「空の巣症候群」

最近、心にぽっかり穴が空いたような無気力感はありませんか。主に40代~50代の女性(主婦)に見られる「空(から)の巣症候群」についてお話ししましょう。
空の巣症候群とは、子どもが成長し、就職や結婚などで家を巣立っていったことで、関心を向ける対象を急に失い、むなしさ、寂しさなどの喪失感が生まれます。これを契機に気分が落ち込みやすくなる状態を「空の巣症候群」といいます。
子育て以外にも、介護が終わった後、生活ががらりと変わることで同じような状態になることがあります。
どのような症状が表れるかというと、自分が家族から必要とされていないという”見捨てられ不安”が強くなります。家事などの意欲も低下し、周りに興味が持てなくなります。また、この時期更年期障害に重なることも多く、症状が進行すると、不安障害やうつ病を発症する場合もあります。逃避行動として、アルコール依存症などの心配も。
どのようなことを心がければよいかというと、子どもとのコミュニケーションを急に絶たずに、しばらくは交流を続けたり、同じ境遇の友人との関係を作っておくことも有効です。それでも改善しない場合は、専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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