こころの健康アラカルト

言いたいことが言えない

「営業の仕事をしています。客先や社内でも、言いたいことが言えず仕事に適性があるのか悩んでいます。」こんな相談がありました。
このような状況には、様々なタイプがあります。
例えば、(1)心のエネルギーがない (2)気を遣い過ぎる (3)権威的な人に対しては黙ってしまう、などです。
(1)の場合は、その背景にうつ病の可能性があります。(2)は、性格傾向の問題といえます。 (3)は、黙って相手の話を聞いてしまうという特性で、心の病気との因果関係や、原因は分かっていません。
何事もやる気がおきず、疲れやすく常にだるいなど身体的症状もあれば、エネルギーがない、つまり心の病気を疑うべきです。その場合は、専門医に相談して、背景にあるものを確認することをお勧めします。
性格傾向が要因となっているのであれば、その行動規範を適応性のあるものに修正するためのカウンセリングや、思ったことを率直に言うようなトレーニングもあります。
いずれにしても、「なぜそうなっているのか」を見極めることが重要です。心の病気であれば、治療することができますし、また、そうでなければカウンセリングなど、適正な対応ができます。
自分で、「これは性格の問題だ」と決め込んで、対処を誤ると、無駄な時間・労力を費やすことになりかねません。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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