福祉用語の基礎知識

記憶

記憶は、記銘(経験を覚え込む)、保持・貯蔵(一定時間その経験を保つ)、想起(必要なときにその体験を思い起こす)の働きによって構成されます。さらに想起は、記憶した内容を思い出して再現すること(再生)と提示された情報が記憶した内容と同一であると認める事(再認)に分けられます。
記憶は学習と一部重複した概念であるが、学習は経験の獲得による行動の変容に重点が置かれているのに対し、記憶は行動の変容は問題にしていません。
記憶は、感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3つに仮説的に区分されています。
感覚記憶は容量が小さく、ごく短期的に各感覚器官に留っていると仮定されるものであります。
短期記憶は必要な短期間だけ一時的に情報を保存しておく働きであり、一般に数唱範囲(意味をもった記号について7桁±2桁)と言われています。また、暗算をするときのように、1桁の計算をする間、他の桁を一時的に記憶するような「作業記憶」も短期記憶であります。また、単に短期記憶を維持するために繰り返すこと維持リハーサル、長期記憶に転送するために繰り返す作業を精緻化リハーサルといいます。
長期記憶にはエピソード記憶と意味記憶があり、エピソード記憶は、「いつ、どこで」それを記憶したかとおう内容をもつ自分が経験した情報の記憶で、意味的記憶は「いつ、どこで」という内容をもたない知識の記憶であります。
※こちらの記事を参考にしてください。