「いわゆる『老老介護』で、身体的にも精神的にもとても苦しい。楽になるような方法はありますか。」こんな質問がありました。
現在の社会状況から、80代の親を60代の子どもが介護する、または90代の夫を80代の妻が介護するなど、様々な、”老老介護”のケースがあり、人口動態から今後、増加していくことが予想されます。介護の受け手が認知症などであれば、負担はもっと大きくなります。また、経済的にも大きな問題です。
そのような問題が複雑に絡み合い、介護を受ける高齢者が「他人の手を煩わせたくない」と思い、自殺するケースも増えています。 この「老老介護」の負担を軽くするには、まずは介護保険適用を検討することです。介護事業者のスタッフは、同制度発足時より技術的に進歩し、質も高くなっています。 同制度を活用するには、介護認定が必要になりますが、その申請をするにあたり、身体的症状だけで判断してはいけません。
認知症やうつ病、不安障害などの精神疾患が疑われる場合、また、攻撃的であったり被害妄想が強いなど認知症の周辺症状が表れている場合は、心療内科や精神科などに相談すると、保険適用がなされる可能性も高まります。また、介護の受け手も心理的なサポートを得ることで、症状が軽くなることも期待できます 。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
コメント