「将来への不安」に関する心の病についてお話ししましょう。
たいていの人はなんらかの不安を抱えながらも、上手に折り合いをつけながら前向きに生活しようと努めるものです。 しかし、実際には何も起こっていないのに、突然動悸や発汗が止まらなくなったり、手の震え、火照り、目まい、鳥肌などの突発的症状がある場合は「パニック障害」や「全般性不安障害」などの可能性が疑われます。
治療法は、投薬と同時に認知行動療法を行う場合があります。例えば「このまま未婚でいると、将来孤独死するのでは・・・」という老後への強い不安を抱えている場合、「未婚のままでいるかどうかわからない、未婚でいるからといって孤独とも限らない」など、より現実的な考え方をとり入れるトレーニングをしたり、実際に一人でも生活を楽しんだりすることで将来への必要以上の不安感の程度が低ければ認知行動療法だけでも改善することもあります。
ただし、放っておくと常時不安や不安発作に悩まされたり、気分の落ち込みや倦怠(けんたい)感を伴う「抑うつ状態」が出現することもあるので注意が必要に。 特に理由がないのに動悸や発汗が止まらないときは、早めに専門医に相談してください。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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