福祉用語の基礎知識

長谷川式簡易知能評価スケール

わが国の代表的な質問式の認知症スクーリング法の一つです。
1991年に改訂され、長谷川式簡易知能評価スケール改訂版(HDS-R)の質問は、(1)年齢、(2)検査施行日の日付と曜日、(3)現在いる場所、(4)単語の復唱と記銘、(5)計算(100から7を順に引く)、(6)3桁と4桁の数字の逆算、(7)(4)で行った単語の起想、(8)相互に無関係な品物の認知と想起、(9)記憶している野菜(または動物)の名前の羅列の9項目からなる。
最高得点30点で20点以下が痴呆を疑う目安となります。HDS-Rの利点は、被害者が協力的ならば検査前に本人の生年月日のみ判明していれば、ほかの情報が少なく家族などが不在でも場所は問わず通常は5分程度で施行可能なことであります。
一方、被検者が非協力的だったり、うつ病における仮性痴呆などの状態を呈しているときには有効性が低いです。いずれにせよ認知症と判断するにはHDS-Rのほかに問診や観察式検査、画像による検査などの併用が必須であります。