こころの健康アラカルト

まとわりつく人たち (1)

「両親の離婚後、祖母に引き取られた高校生の女の子が、祖母の側を離れようとせず、お風呂やトイレにまでついてまわっています。止めさせるべきでしょうか、そのままにして良いのでしょうか」 こんな質問がありました。
基本的には、「高校生なのだから」と諭しても意味がありません。というのは、高校生のお子さんが、トイレやお風呂の前で待つというのは、通常しない行動だからです。さらに、以前はしなかったであろうと考えられます。
これは自分では止められない可能性が高いと考えられます。両親と同じようにおばあさまもいなくなってしまうのではないかという不安感がある場合、姿が見えないことをいなくなってしまうと考える場合、「よくわからないけれど、そうしてしまう」などいろいろな原因が考えられます。また、通常では理解できない理由を話される場合もあるかもしれません。
では具体的にどうしたらいいのでしょうか。
不安障害や統合失調症、あるいは、種類の違う心の病気にかかっているかもしれません。原因を含めて日常生活全般を詳細に調べてみる必要があります。この場合は、諭すのではなく、女の子の話をよく聞いて、早めに受診されるのが良いかと思われます。場合によってはおばあさまが、女の子の日常生活や彼女とのやりとりを含め、先に相談されてもよいかもしれません。
この記事はこちらに続きます。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント