この記事は、こちらからの続きです。
前回、まだ眠りが発達していない子どもに「夜泣き、夢をみてうろうろ歩く、叫ぶ」というのは、よくあることだとお話ししました。
ある少年が、公園で自分のボールを友達に使われてしまっていたのに、自分のだと主張できない場面がありました。この出来事の一週間ほど後、夜中に起きてボールを捜しまくり、見つけたら「ぼくのだよ!」と大声で言って、夢うつつでベッドに持ち帰ったことがありました。これは一週間悩んで、その子の心の中でほぼ解決をみたのでしょう。そういう場合、もう一週間すれば、さらに落ち着き、実際同じ場面になった時は別の反応が見られるでしょう。
とはいえ、悪夢が続き、睡眠不足で勉強や仕事にさわる等は問題ですし、何らかの病気にかかっているケースもあります。このような時は、専門家に相談したほうがよいでしょう。
あまりにリアルな悪夢が続くと、「お祓い」のような事で解決しようとする人もいますが、解離性障害という病気の場合、悪夢が続くことがあります。比較的軽度な解離性障害で、非常に暗示にかかりやすい人の場合に「お祓い」で症状が消える場合もまれにあり、有効なこともあるようです。そのことからも「お祓い」とうのは、必ずしも悪いことではありません。ただし、高い金銭を要求するようなところは、敬遠したほうがいいですね。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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