淡く切ない恋心も間違えると厳しい局面を迎えることもあるようです。
ストーカー行為のように一方的で行き過ぎた恋心についてお話しましょう。どのようなケースがあるかというと、相思相愛でないのに相手も好きだと思い、自分に都合の良い関係を一方的に作り上げ、強く思い続けるのは心の病を患っている場合があります。考えられるものとしては、強い妄想症状がある統合失調症やパーソナリティ障害などです。
陥りやすい人の傾向は、恋愛経験が少なく、束縛傾向が強い人に比較的多くみられます。両思いであると勘違いするだけでなく、相手の都合を無視した愛情表現をすることもあります。「関係が満たされないのは、誰かに邪魔されているから」と頑固に信じ込むようになったら注意が必要です。
改善方法は、心の病がある本人の行動を禁止したり無視するだけでは、混乱から必死にしがみつく場合があります。長期間かけて関係を遠ざけ、燃え上がった妄想がトーンダウンするのを待つよう対応します。また、本人が心の異常に気づくことは少ないので、周囲の人が専門医に相談するのも方法の一つです。専門医では、薬物療法と認知行動療法などを併せて治療します。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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