9月の大型連休後に陥りやすい心の病についてお話しましょう。
どのような不調が考えられるでしょうか。夏の疲れが出やすく、日照時間の短縮や朝晩の気温変化が激しいこともあり、体調を崩す人がいます。とりわけ、長い夏休みを過ごした大学生は、いわゆる五月病のような症状を引き起こす可能性が高まると思われます。
考えられる原因は、休み中の不規則な生活で体のリズムが乱れていたり、抑えられていた大学生活の理想と現実の差がストレスとして露呈したり、勉強が本格化して挫折感を抱くこともあります。特に夏休み明けの人間関係は、サークル等のグループで固まることが多いので、取り残されると居場所が持てずに悩む場合があります。
このような状態を放置するとどうでしょうか。失望感や挫折感などと併せて体調不良が表れると、うつ病や適応障害などを患っていることがあり、不登校が目立つようになるケースが考えられます。治療法としては、薬物や認知行動療法を行い、生活設計を無理のないものに見直したりすることもあります。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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