横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.269 キーシン

hitorigoto-269a.png横浜院長の柏です。アニメ版ingressも佳境のところ、ついにスマホゲームのingressもメジャーアプデ。Ingress Primeがローンチされました。美しいグラフィックにアニメーション。ワクワクさせられますが、まだβ版っぽくバグが多いのが残念。操作性も、まだ慣れないのでなんとも、またポケモンからこっちにシフトだなぁ。

hitorigoto-269b.jpg先週金曜日、キーシンのコンサートを聞きにみなとみらいホールへ行ってきました。今日は久々にクラシック音楽談義といたしましょう。
キーシンのプログラム、元々は前半ハンマークラヴィーア(ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ第29番、最長かつ重厚な曲です!)の予定だったのが、ショパンとシューマンに変更となりました。ちょっとがっかり、だったのですが、蓋を開けてみるとさすがはキーシン。とくに冒頭のショパン(夜想曲op.55-1とop.62-2)が珠玉の出来で、後半のラフマニノフの前奏曲10曲連続演奏とともに強く印象に残りました。キーシンはなんといってもタッチが絶妙で、左手をしっかり弾いていて、えっ、こんなに弾いたら右手の主題が聞こえないんじゃないの?と思っても、そこから乗ってくる右手の主題はしっかりと心に響いてきます。音量では負けているはずなのに、タッチの生きた音はしっかり聞こえるんですね。右手と左手が別々の生き物で、二匹が共鳴してひとつの生命体、ひとつの宇宙を作っていく…一流アーティストの真髄を見た、じゃなくて聴かせていただきました。
hitorigoto-269c.pngみなとみらいホールは写真のように舞台の向こう側にも席がありまして(P席といいます)、今回あえてP席、この写真の手前から見てセンターからやや右側の席を取りました。グランドピアノは「屋根」があるので、音は演奏者から右側、つまり通常の客席側に広がるためP席は音としてはちょっと籠もってしまいます。しかし、舞台より高いところに席があるので、演奏者やピアノをよく見ることができます。つまり、音響としては落ちるけど視覚的に演奏を楽しめる席なのです。今回は右側だったので、鍵盤・タッチは見えませんがキーシンの表情がよく見えました。叙情的なパッセージでは彼の歌声(唸り声?)もよく聞こえ、演奏者の間近で音楽を楽しめました。
完全な私見ですが、写真の手前から見て主客席側右側を主右、主客席側左側を主左、P席右側をP右、P席左側をP左とすると、ピアノ独奏の場合
 主右:音が一番良い 鍵盤は見にくい
 主左:音は次に良い 鍵盤が見やすい
 P右:音は良くない 表情が見やすい
 P左:音は良くない 鍵盤がとても見やすい

こんな感じでしょうか。みなとみらいホールの場合、さらには横側にも席があります。このページから、各席からの見え方も確認できますよ。
では今日の一曲。上でお話ししたショパンの夜想曲ヘ短調op.55-1にしましょう。キーシンの2010年のライブ映像、その1曲目です。全部聞くと1時間半あって、3曲めが今回の2曲め、夜想曲ホ長調op.62-2です。


こちらは同じ曲、ホロヴィッツのカーネギーホール・コンサートからです。どちらも素晴らしい…。ではまた。

コメント

  1. ultima より:

    柏先生 お疲れさまです。
    アニメ INGRESSのstaffがほぼ異国の方で、でも日本的な手法も活かしてくれてて悔しいような嬉しいような複雑な気持ちです…
    通っていた保育園の先生が 感動的にピアノを弾きながら歌を教えてくれて、ゆうこ先生みたいになりたいと父に両手をついて習ったピアノでしたが 結婚して手放してしまいました。演奏する身としては鍵盤や指先の見えるP左席を好んで購入してました。ultimaは楽譜に忠実で1音1音 とても大切に弾きますね、と師に言われたのを思い出しました。音符から作曲家や時代が浮かび上がって楽しいんですが、果たして当時の私の解釈が正しかったのか疑問です…
    26日(月) 東京ドームではスコアを忘れて 叫び踊り狂ってハジけたいです。