横浜院長の柏です。私は今日から夏休みをいただくのですが、今年は受験生がおり、みなとみらいでポケモンするくらいなもんで(^_^;どこも行けません。例年のことですが、通院中の方にはご迷惑をおかけしますがよろしくご了解下さい。当院は医師毎に休みをいただいており、お盆も休診はございません。
さて本題です。かつてNo.089でrésilienceとvulnerabilityについてお話しましたが、覚えていますか(あ、そんな昔のは読んでないかな)。résilience(レジリエンス)は、患者さんのもつ自然回復力のような力のこと。vulnerability(バルネラビリティー)は、日本語では脆弱性と訳され、病気になりやすさなど、患者さん特有の弱さのこと。かつてvulnerabilityモデルを研究テーマにしていた私も、そうとらえておりました。しかし最近、このコラムを読んでちょっと考えさせられました。
「なぜ、アメリカでは障害者を「弱者」と呼ばないのか?」
著者は米国認定音楽療法士の佐藤由美子氏。障害に関する日米の考え方の違いについての秀逸な文章ですが、そこはコラムをお読みいただくこととして、ここではvulnerabilityに関する部分について見ていきましょう。
このような社会では、障がいや病気のある人を「弱者」とは呼ばない。もし、彼らを “weak people(弱者)”などと呼んだら、アメリカ人は間違いなく「差別だ」と言うだろう。もし、障がい者が「社会的弱者」であるとしたら、社会が変わる必要があると彼らは考えるのだ。
「弱者」の代わりに英語では、「バルネラブルな人たち(people who are vulnerable)」という言い方をする。日本語にはない表現で、「弱者」とも意味が違う。バルネラブルは、障がいの有無を問わず誰もが経験することだ。たとえば、言葉の話せない国に行ったとき、暗い夜道を一人で歩いているとき、風邪にかかったときなどには、バルネラブルな状態になり得る。
この「バルネラブル」と「弱さ」そして「弱者」の微妙なニュアンスの違い。résilienceはよい訳語がなく「レジリアンス」とカタカナで書かれますが、vulnerabilityの「脆弱性」という訳語も、どうも何か違う、という印象を持っていたんですよね。病気を抱えた方の「弱さ」というと、どうしても「弱者」という言葉と直結してしまうのが日本語というもの。「バルネラブル」は、固定したものではなく一時的に弱った、というニュアンスが強い言葉で、日本語の「弱者」はより固定的なニュアンスが強いと思われます。
たしかにあの国は自主自立がモットーで、わが国の方が相互扶助の精神は強いはずで、国民皆保険でもあり、福祉制度もむしろわが国のほうが充実しているとも言えるでしょう。しかし、病気を抱える者をどう見るかというところで、まだまだ圧倒的な差があるように思います。
うつ状態や不安状態は誰でもなるものだし、精神病状態についても、例えば雪山で遭難した人はみな幻を見聞きするという話もあります。誰であっても、条件が揃えば精神科の病気の定義を満たす状態になりうるのです。
「弱者」という言葉が、〈彼ら〉と〈私たち〉を区別する言葉だとしたら、「バルネラブル」は、人間誰もが経験する苦しみや悲しみを通じて、私たちをつなぐ言葉である。
肝に銘じて、休み明けの診療にあたりたいと思います。
ちなみに、佐藤氏の元ブログをみると、「バルネラブル」でなく「ボーナブル」と記載されています。ハフポストに転載する際に直されたようですが、発音上は「ボーナブル」のほうが近いと思われます。
さて私の特技、このネタをどうヲタネタに結びつけるか(^o^)
今日はrésilienceから行ってみましょう。このeの上にチョンがついてるマーク。résilienceはフランス語ですが、フランス語でいうとアクサンテギュ、英語ではアキュート・アクセントというやつですね。ラテン系の言語に出てきます。さて皆さん、最近このマークよく見かけませんか?実はこのブログでも何度もアクサンテギュ出てきているんですよ。それは・・・・
ほら、見たことあるでしょ。そして、こことか過去ログでもちゃんとつけてますです。pokemonだと、「ポゥキモン」になっちゃうので苦肉の策のようですが、このほうがカッチョエーですよね。
受付Mさんのブログでバラされちゃってますが、ここんとこまたポケGO三昧です。伝説のレイドは今んとこ写真のとおり(ほかにルギア1体)。ピカチュウ大量発生チュウ、ポケゴパークのあるみなとみらいにはイベント開始後3回、明日は次男と映画ついでに4回目の出撃予定です。近くでこうしたイベントがあるのはありがたい限りですが、しかしみなとみらい、すごい人の数です。ポケモンパワー恐るべし。
「弱さ」の反対は「強さ」…ということで、強引ですが(^^; 今日の一曲は宇宙刑事シャリバンのエンディング、「強さは愛だ」です。宇宙刑事について語りだすと止まらないのでやめますが、この曲は宇宙刑事シリーズ史上最高傑作でしょう。夕陽が続く動画編集のセンスも見事ですが、やはり最後のシャリバン・クラッシュが最高♪ですね。
では夏休みを取られる方も取られない方も、皆さんお元気でお過ごしください。ではまた。
コメント
柏先生、お久しぶりです。
左から3番目のしろたんです。
昨日の午前、おかげさまで無事退院しました。
ですが、体調が優れません。。。(泣)
次回診察に伺うまで、少し時間があるので、回復できるよう、頑張ってみます!
次回の診察の時は、長い診察メモをお渡ししたり色々時間をくうかもしれないので、よろしくお願いいたします。
しろたんさん
了解です。お待ちしていますね。