横浜院長の柏です。昨年の新年2回目は、SFネタとしてどこでもドアのお話しをしましたね。今年も続いてSFもどきの妄想話をしようと思ったのですが、それは次回として今日はそこにつなぐ「前座」の話をします。
さて、世はまさにインターネットの時代ですね。ネットをつなげばその場で世界中の人とつながり、発信もでき、あらゆる情報をひきだすこともできます(そう、仮面ライダーWのフィリップ君のように)。たった今このブログを読んでいるあなたも、ネットの前にいますよね。ちょっと前は携帯電話の時代がありまして、それまで廊下の電話機の前で寒い中長話をしていた彼女も、自室で簡単に友達とつながれるようになりました。そしてインターネット。LINEやTwitterで瞬時に複数人でコミュニケーションが図れます。便利な反面、家と外との境界がなくなり、常に人とつながっている・・・つながっていないと怖い・・・そんな時代となってしまいました。強迫的なコミュニケーションの時代の登場です。
一方で、ひきこもり青年の数の増加も問題となっていますね。昨年ある支援者の方が「今ひきこもっている若者で、ネットかゲームをしていない者は一人もいない」とおっしゃっていました。いや目からうろこ、まさにその通りでしょう。ネットがコミュニケーションの手段となっていればまだいいのでしょうが、ただ動画を見るだけ、ゲームをするだけという若者の多いこと。最近はアマゾンを越えてネットスーパーまで出てきて、趣味のものから食料品まで、外へ出向かなくても何でも手に入ります。一人暮らしで一歩も外に出なくても生活が成り立つ時代の到来です。それこそ、自室でネットで商売したりトレーダーなどで生計を立てられれば、一歩も外へ出ずとも生きていくことはできてしまうのです。
人間は元来集団生活を営む生物(外敵から身を守るためにも必要)で、会話、共感、肌の接触・・・コミュニケーションの存在は人間にとってきわめて本質的なものです。ひきこもりライフは本来、人間の本能に逆行しているはずなのです。それなのに、ひきこもりたくはないがひきこもらなくてはならない彼ら、彼女達に対して精神科医として何ができるのか・・・ここは日々自問自答のところですね。ひきこもりの青年みなに精神疾患があるわけではありませんが、社会不安障害や統合失調症など、病気の症状のためにひきこもりを余儀なくされている場合、治療が必要です。しかし、ひきこもり問題に対して医師のできることは限定的です。適切な支援者との関わり、安心できる人間と人間との関わりがどうしても必要です。
朝日新聞が年頭に「18歳をあるく」という特集を組んでいました。この世代は物心ついた時からネット、そしてスマホがあるという新人類です。うちの長男(16歳)もそうですが、従来と異なるコミュニケーションの取り方が最初から当たり前の世代は、新しい価値観を生んでいくのでしょうか。今後、仕事も自宅でネット上で完結するようになり、SOHOが普通になれば外出しないスタイルが普通になる、というのもあながち夢物語ではないのかも知れません。アメリカではアマゾンなどの台頭で大手ストアの倒産が相次いでいますが、これもそうした未来の序章かも知れないですね。皆が家で仕事して、ネットスーパーで買い物をする時代になれば町のお店も、イオンモールもなくなってしまい、そもそも町というものが必要なくなるかも・・・水族館はネットのライブで魚を見て、ディズニーランドへ行かなくてもバーチャルリアリティーのゲームで迫真の体験ができる・・・家から出る必要がなくなれば、町はいらなくなりますよね・・・。
ネットの登場による環境の変化。コミュニケーションのあり方の変化。直接のふれあいが最後は必要だと考える私は旧人類なんだろうか、とふと考える新年でした・・・次回、SF空想物語をここにつなげますのでお楽しみに!
最後に大切なおはなし。皆さん聞いて下さい!わが家も先日スターウォーズを見てきたところですが、有名な「ダースベーダーのテーマ」って曲あるじゃないですか(正式名称はimperial march)。それをですね、うちの次男(小5)ときたら「牛乳とぉコッペパ〜ンコッペパ〜ン」って歌うんですよ。牛乳とコッペパンですよ。それからというもの、この曲を聴くと「牛乳とぉコッペパ〜ンコッペパ〜ン」って聞こえちゃうんですよ、ひどいでしょ。それでね、一人じゃくやしいから、こうやってブログの読者も毒しちゃおうって考えたわけ。あ、読んじゃいましたね。これからはこの曲を聞くたびに聞こえますよ・・・ぎゅうにゅうとぉ・・・(笑)。
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