万引きや窃盗を繰り返す心の病とは?「窃盗症」についてお話ししましょう。
窃盗症とは、クレプトマニア(窃盗癖)と呼ばれ、小学低学年から、万引きや窃盗が嗜癖(しへき)化し、50代くらいまで続いていくことが多いです。窃盗症は、盗んだ物を利用することは比較的少なく、盗むこと自体が目的で行っています。 ではなぜ嗜癖化するのでしょうか。
窃盗するとき、非常に興奮や緊張感を味わいますが、成功するとほっと安堵感を得ます。この緊張と弛緩(しかん)を繰り返すことが特徴的なパターンです。高揚感をもたらす行為にのめりこむ依存症の一種で、盗む瞬間にドーパミン値が高まって、快楽を刺激していると考えられます。また、自傷行為、自殺の嗜癖化、無謀運転などと同様に、日常感じている様々な葛藤を解消するために盗みを行っている場合もあります。
治療法は、確立していませんが、認知行動療法や集団精神療法などのアプローチがある程度有効だと思います。高齢者では窃盗症以外にも認知症である可能性が高いため、気になる場合は医師に相談してください。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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