こころの健康アラカルト

片付けることが苦手です

「片付けが苦手で普段の生活や仕事に支障が出ていますが、『片付けなくては』と思えば思うほど行動できません。」20歳・女性からの相談です。
幼い頃から片付けが苦手で、親にも叱られていたというご相談者。現在は一人暮らしをしており、部屋では脱いだ服や使った食器がそのまま、ということも多いそうです。職場でもデスクが乱雑になり、仕事の効率が下がっているため何とか改善したいとおっしゃいます。
男女を問わず片付けが苦手な方は多くて、背景には様々な要因があります。例えばADHD(注意欠陥障害)の不注意優勢型というカテゴリーの方は、注意や関心がすぐにそれてしまうことが特徴です。そのため片付けを始めても開けたタンスの中身が気になって別のことを始めてしまったり、買い物から帰ると商品の入っていた箱や袋がそのままになり、家が乱雑になってしまいます。
ただ、ご相談者の場合はこうした障害と言うより、「片付けなくてはいけない」という思いが強くなりすぎて、心理的に負担となっている可能性が高いと思います。その原因としてうつ病や双極性障害、統合失調症などにより気力が低下していたり、不安障害の慢性化も考えられます。
片付けだけでなく仕事に行くのが辛いなどの症状があったら、診療内科や精神科などでご相談下さい。
ハートクリニック院長 浅井逸郎

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