横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.105 黒い犬

横浜院長の柏です。今日は前回の続きを書かないといけないのですが、皆さんに見ていただきたい動画を見つけたので、例によって予定変更です。
「黒い犬」についての動画なのですが、これは今「黒い犬」を飼っている方にも、飼っていた方にも、飼っている方のご家族・ご友人にも、また「黒い犬」など見たことがないという方にも、ぜひ見ていただきたいと思いました。世界保健機構(WHO)作成のものらしいです。だいぶ前からあったようで、本も出ているようですが、私が知ったのが昨日ですので、遅まきながら今回あげさせていただきます。
さて、今日はあまりコメントせず、ただ見ていただくことにしましょう。


いかがでしたか。ぜひコメント欄よりご感想をお知らせ下さいね。私の感想なども、随時コメント欄に書くこととします。ということで、今日はここまでにしておきましょう。
今日の一曲は、前回に続いてホロヴィッツのスクリャービン、同じく練習曲からop.42-5嬰ハ短調です。ホロヴィッツの奏でる中間部の耽美的な美しさは、他の追随を許しませんね。

コメント

  1. 匿名 より:

    不思議だな。心に届きました。うつ病を「黒い犬」と置き換えただけなのに。なぜかしっかりと、
    頭ではなく心が受け止めた感じがしました。
    「犬」は人間に一番身近な動物で、どこにでもいる、誰でも飼うことができる、仲良くもなれれば、犬自身よりも下に見られることもある、寄ってもくれば、去ってもいく……黒い犬はいい例えだと思います。どんな犬でも上手に付き合う方法は素人よりもやはり専門家の方がよく知っているはずですから「正しい一歩と正しい専門家との出会い」に巡り会えた人は本当に幸せだと思います。そういう出会いが私もほしかった。
    もう少し動画を見てからまた感想を書かせていただこうと思います。

  2. ミント より:

    心の病を 黒い犬にたとえたのがいいですね。
    物に例えると 自分と病気を分けて考えられる様な気がしますね。
    また 愛犬として飼い慣らすこともできるのかな。
    わたしは鬱ではないですが 考え始めると 次々にマイナス思考が浮かび 鬱っぽくなってきます。
    ささやかなことですが 今自分が一番やりたかったこと をやりはじめました。
    そのことについて あーしたらいいかな。とかこーしようかな。という様に思いを巡らすことで シフト変更するようにしています。
    一つやればそこから何か始まるかな。と思っています。
    かつて 大学病院で 主治医からパキシルを処方されていました。
    家族が心の病になり 自分も病みました。
    その薬を勝手に止めて作用が出て大変でした。
    柏先生はお薬に関しては厳しいお考えを持っておられるので安心しています。
    あの時の主治医に、処方する前に パキシル という薬について説明して欲しかったと今でも伝えたいです。
    わたしには合わないお薬でした。
    知らないうちに強い薬を与えられ そこから離れられなくなったとしたら怖いなあ。と思います。

  3. パバゲーナ より:

    急性期を思い出しとても悲しい気持ちになりました。ウツの苦しさ、やるせなさ、思いもよらなかった、精神科で処方されたお薬の大変苦しい副作用。。。そして想像を絶する治療期間の長さ。。。この様な病には罹らない事が肝要かと。。。
    激しく苦しい風波との一つ一つの闘いを経て、今の幸せがあります。
    発病前より、はるかに幸せを感じることの出来る沸点が低くなりました。あらゆる事に感謝をする自分に生まれ変わりました。今私は、我が人生で一番の幸せを噛み締めています。
    ウツ病は再発率の高い辛気臭い病気です。一生逃れられないかもしれないところが、この病気の更に辛気臭いところですね。

  4. むぎママ より:

    先日、Facebookのほうでもこの動画話題になっていたのですが、先ほど初めて観させていただきました。
    鬱を黒い犬と喩えたのは本当に不思議としっくりきます。といってもリアルな黒い犬はラブリーすぎてずっともふもふしていたいくらい大好きなんですけれどね^^;
    同じ黒い犬でもそういうものとはなんだか全く正反対な捉え方ながら、全く違和感がなくてだから尚更不思議かつ面白いなーって印象でした。
    ちなみに私も純粋な鬱ではなく躁鬱ですが、過去のことを振り返ると黒い犬に振り回されて本当に散々でした。
    一番伸びしろのある10代を陰鬱な思いの中で過ごし、周りが進学や就職で活気づく年頃は引きこもったり恋人に依存するような主体性のない日々に埋もれてしまって、20代も半ばになった頃にはせっかくプロポーズしてくれた恋人や10年ぶりに再開した幼なじみにパキシルの副作用から誘発されたと思われる酷い躁転で問題行動を起こして見捨てられ、それまで辛うじてつなぎとめていたものをほとんど失ってしまいました。
    その後の約1年ほどとても過酷で今でもできることなら思い出したくないと思うような時期を過ごしたのですが、今の夫と出会って結婚を機に神奈川へ移ったことや先生や支援して下さる方々との出会いによってなんとか良い方向に進み、今となってはこれまでの苦しかった日々も神様が必要だと判断したからこそ与えられたものだったんだと思うようになりました。(現に自分が経験したことや、必要に応じてしていた対処法や手続きなどの知識がとても役に立っています。)
    そういったこともあって、こういうきっかけを与えてくれた夫や、今まで何件も病院を渡り歩いたのに一向に良くならなかった私の話をしっかり聞いた上で過去も現在も適切に治療・アドバイスして下さっている先生には心から感謝の思いでいっぱいです。
    黒い犬を飼いならす、というところまで自分が至っているのかは正直な所まだよくわからないのですが、以前よりずっと自然体に前向きに受け止められるようになったことは本当に幸いだと思っています。
    現在もまだ黒い犬に苦悩されて絶望されている方が大勢いると感じるので、私も経験している当事者としてそういう方々へできることがきっとあると信じてひたむきに進んでいこうと思っています。

  5. 匿名 より:

    え〜!みなさんの感想がすごすぎるので、私の拙い感想を恥ずかしくて書けなくなりました。
    私のは主観的すぎるから。先生、ゴメンナサイ。m(__)m

  6. まねきねこ より:

    あのイギリスの名宰相チャーチルが自身の持つうつ病を「黒い犬」と表現していたので、最初、チャーチル自伝から引用した動画だと思っていました。ヨーロッパでは、うつ病を黒い犬に例えるのでしょうか。うつ病になってしまった人の多くは自分がダメな人だからこんな病気になってしまったのだとか、自分はダメな人間になってしまったのだと思い悩みますが、チャーチルほどの人もうつ病に苦しんだのだと思うと、少しは救いも感じました。
     黒い犬を見て、発病したころのことを思い出しました。明日もまた、苦しい日が始まると思うと、前の夜から憂鬱でした。日内変動のため、夜は少しもちかえすのですが、朝になるとガックリ悪くなる繰り返しでした。でも、うつ病になったことを不幸だとは思いません。黒い犬を教師、と表現していた通り、うつ病になって学んだこと、得たことも多いと思います。
     むぎママさんは、青春時代と呼ばれる時期に大変な思いをされたのですね。私ももしかしたら、その時期うつだったのかもしれませんが、当時はそういう啓蒙もなく、拒食症だったのに親は精神科なんてもってのほかと言う考え方でしたし、たぶん、薬も種類が少なかったと思います。パキシルは最初、みるみるよくなったので、合っていると思っていたのですが、イライラ感が爆発してしまうようになりました。あ~あ、上手くいかないなあと思います。イライラ感が爆発するようになったのは、ちょうど更年期に入った時期なので、重なってしまったようです。
     あ、チャーチル自伝、読みたいと思いながらまだ読んでいません。チャーチルは黒い犬が現れたときは油絵を描いてやり過ごしたと言っているそうです。そんな時でも油絵を描けるなんて、やっぱりチャーチルはすごいですよね。

  7. ミント より:

    娘は鬱ではありませんが10代の頃より ずっと心の病で苦しんできました。
    むぎままさんの書き込みを拝見して 娘と重なり 若い頃よりご苦労されてきたのだなあ。と思いました。
    わたしは 母親としての思いで、たわいもない青春を味あわせてあげたかった。とか、時としてまだまだ過去の「たら れば」に縛られていて苦しくなることもしばしばですが みなさん、あの時期があったから今が幸せ と感じられていることが素敵だと思いました。

  8. 横浜院長 より:

    みなさま
    いろいろとご感想ありがとうございます。
    最初にうつを黒い犬に例えたのはチャーチル元首相とのことです。
    精神科の病気の難しさの一つに、自分と病気の境がつきにくくなりやすいことがあると思います。まわりの人から見てもそうですが、本人自身がそう感じてしまうところがつらいところです。その意味で、「黒い犬」という形で病気を外在化させることはとても意味のあることだと思います。
    自分とは別のものだけど、しかしずっとそばにいる、でも必ず敵というわけでもなくて飼い慣らすこともできる、そんな存在として、精神科の病気をとらえることができるとよいと思います。
    くすりについてコメントしておきます。
    動画の作者もそうですし、コメントいただいた皆様もくすりはむしろつらい思いの方が大きかったようですね。ミントさんご指摘のように、私はたぶん精神科医の中では慎重な方だと思いますが、使うときにはきっちり使います。多剤併用となることもあります。くすりの力で生活を、人生を取り戻されている方にたくさんお会いしています。しかし中にはくすりで効果が上がらない、あるいは副作用で断念せざるを得ない方もいらっしゃいます。十分な戦略に則ってくすりを使ってもうまくいかない場合、別の戦略をとることとなります。ここの順番を間違えてはいけません。
    Anonymousさん
    ここはなぜか高度な議論が飛び交いやすいのですが(^_^;
    何でも思ったことをお気軽に書いて下さいね。ぜひ感想お知らせ下さい。
    正しいも間違ってるもありませんので。思い切り主観で結構ですよ(^o^)

  9. 匿名 より:

    「アナと雪の女王」のDVDが発売されましたね。「あ、ほしいな。」と思いました。先生はクールビューティーのエルサ派ですよね。黒い犬の話はエルサの雪のようです。エルサは不思議な力を持つ自分を受け入れられずに悩み苦しんで心を閉ざしてしまった。雪の力は自分が望まないのに出てきてしまい、どうにかしようとしても焦りや不安は更に力を強大にして、それを理解していない周囲からは魔女と呼ばれ、恐れ、避けられて攻撃されてしまう。ついには今自分がいるこの世界に自分は居てはいけないのだと孤独に氷の城にひきこもってしまう。悲しくて寂しくてたまらないのに強がりを言って。だけど本当に愛してくれる人の力で(家族のアナでしたね)自分の力を初めて理解でき、力をコントロールできるようになることで、元の世界に戻れ国民に愛される女王として幸せにみんなと暮らすことができた。ねっ、似てるでしょ?
    私もエルサのようなクールビューティーに生まれたかったな。

  10. 横浜院長 より:

    今週忙しくてブログ更新さぼってます。すみません。
    まねきねこさん
    チャーチルの件、前後してすみません。
    私もチャーチル自伝ぜひ読みたいですね。いろいろヒントがつまっている気がします。
    Anonymousさん
    アナ雪のBD、早速ゲットして家族で見ましたよ。
    何度見てもいいですねぇ。。
    たしかにエルサの雪は黒い犬と同じですね!鋭い観察。。。

  11. 風神雷神 より:

    今回の音楽コーナーも素晴らしいですよ、先生!
    動画ならもっと嬉しいです。練習曲と言いますが、これらは本当に練習曲なんですか?凡人にはついていけません。ぜひ一度、先生が弾いてるところを載せてください!指だけでOKです。

  12. 横浜院長 より:

    風神雷神さん
    練習曲(エチュード)はショパンもラフマニノフも難曲揃いですよ。
    私は、ぜんぜん弾いておりませんので最近は人様の前で弾くことはないんですよ(汗)。
    三人の方がパキシルについて書かれていますので、補足しておきます。
    パキシル(パロキセチン)は、SSRIと呼ばれるグループの抗うつ薬の中では最も切れ味が鋭く、この薬のおかげで日常生活が送れている方もたくさんいらっしゃいます。が、切れる刀は返す刀に注意が必要で、アクティベーションと呼ばれる行動活性化(躁転みたいなもの)を起こしやすかったり、止めるときに慎重にやらないと、眩暈や耳鳴りなど深いな症状の出やすい薬でもあります。
    最近では、CRと言ってよりゆっくり体内に放出されるので、中断症状の出にくいタイプのパキシルもありますが、いずれにせよ医師の管理の下、慎重に使うことが必要な薬ではあります。