こころの健康アラカルト

糖尿病と診断され元気がない夫

「夫が糖尿病と診断され、治療を始めましたが、落ち込んだ様子が続いていて心配です。」42歳・女性からの相談です。
ご相談者のご主人(45歳)は、会社の定期健診で「所見が必要」と言われ病院に行ったところ、糖尿病と診断されました。それ以来、通院と食事療法を続けていますが、好きなジャズを聴くこともなくなり、家でぼーっとしていることが多くなったそうです。ご相談者は「糖尿病の人はうつ病など心の病気にもなりやすいと聞いたので心配。家族としてどのように励ましたらいいか知りたい」とおっしゃいます。
糖尿病の治療を始めると食事療法が必要となり、これまでのように好きなものを食べることができなくなります。そのため、多くの人が人生の楽しみを奪われたように感じます。また糖尿病には多くの合併症があり、そうした情報を聞くことで不安な気持ちも強くなってしまいます。
本人がこうした状況を受け入れるのには、一定の時間がかかります。周囲が無責任に励ましたり元気づけたりしようとすると、「頑張れない自分」を責めてしまい、かえって症状が重くなることがあります。まずは普段通りに接し、前向きに治療に取り組めるようになるのを待ちましょう。
時間が経っても落ち込んだ様子が続くようなら、診療内科などで専門家にご相談下さい。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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