こころの健康アラカルト

自分が自分でなくなる”多重人格”

自分が自分であるという感覚が失われてしまう解離性同一性障害について2回にわたりお話ししましょう。
解離性同一性障害の症状では、一部の記憶がすっぽり抜け落ちる解離性健忘、いつの間にか知らない場所にいる遁走(そんそう)、離人症状、身体表現性障害などさまざまな症状があらわれます。小説や映画の中で紹介された”ジキル博士とハイド氏”のように、誠実な人格と狂暴な人格が同じ人物に存在し、知っている名前や言葉、態度まで別人のようになる二重人格が有名ですが、交代性人格は5~11人程度が平均的といわれています。ある人格が現れているときには、別の人格のときの記憶がないことが多く、日常生活にも支障がでてきます。
解離性健忘とは、心の傷やストレスを受けた記憶が思い出せなくなります。解離性健忘の人が、突然、遠く離れた知らない場所にいたりする遁走などもあります。
身体表現性障害とは、身体的な疾患や異常がないにもかかわらず、頭痛や目まい、動悸、しびれなどの身体症状が続きます。 次回は原因や治療法などについてお話しします。
この記事はこちらに続きます。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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