横浜院長の柏です。ファンファン大佐かと思ったらファンフォンですか。日曜夜、強まる雨音を聞きながらこれを書いております。月曜日、来院される方はどうぞお気をつけて。
さて、前回までは「鬱」という漢字から、うつの秘密を解く手がかりを得ようとしました。今日はうつとは何かについて、もう少し考えてみましょう。
ではここでまた問題です。
「うつ病」と「うつ状態」の違いは何でしょうか。
どうですか?
正解は、当たり前ではありますが「うつ病」は病名であり、「うつ状態」は状態像ということです。
うつ病 = 病名
うつ状態 = 状態像
うつ状態は誰でもつらいことがあればなりうるものです。また、うつ病の方でもその時にうつ状態でないことはありえます。一方、うつ病とは精神医学的な疾病概念であり、診断基準によって診断される一つの病気です。うつ状態だから即うつ病というわけではないのです。
アメリカ精神医学会(APA)の診断基準であるDSM-5には、主症状が「少なくとも2週間存在する」こと、とあります。うつ状態が2週間以上続いてはじめて、うつ病と診断するということです。
誰でもいやなことがあれば一晩落ち込むことはありますね。でも、次の日には何とか立ち直る。相当ショックなことがあっても、まあ1週間もあれば立ち直れますよね。これが2週間となるとやはり長いですよね。どうやら、自力で立て直すのが難しくなるのがこの2週間という期間らしいのです。これを超えると、どうも脳が本格的に調子を崩すらしい。
例外として「死別反応」というのがあって、身内などごく親しい方との死別の場合、2ヶ月までであればうつ病と診断しない、というのが一つ前のDSM-IVまではあったのですが、DSM-5ではなくなっています。
2週間を超えて、普段とは違い落ち込んだ気分が続く、普段楽しめることが楽しめない、といったことがあればうつ病の可能性があるということです。
秋のこの時期、聴きたくなるのはブラームスですね。弦楽六重奏曲第1番から、第2楽章をどうぞ。暗い曲が多い!とお叱りをうけそうですが、私はmoll(短調)の曲のほうが好きでして・・・難しいところですね。
コメント
_| ̄|○ガクッ。。。たった二週間うつ状態になっただけで、脳は深みにはまってしまうのですね。。
自分は10ヶ月、辛抱に辛抱を重ねて、すっかりホンモノになってから柏先生に診察していただいたんですねฅ(๑*д*๑)ฅ あ〜あ。。。
動画の女性美しいですネ♡若い頃のジャンヌ•モローに似ていますネ。
私事で恐縮です。
昨年、7回忌を終えた父ですが、病院で他界した時のことを思い出しました。ちょうどその頃は職場が新規移転したばかり、人員も新体制、新規事業も始まるという忙殺していた時期と重なり、自分自身もなかなか切り替えができずに結構しんどかったことを思い出しました。食欲も落ち、睡眠も浅く、身体に力が入らなかったですね。
幸い、職場の仲間や、父が当時通っていたデイケア施設(今でもパンフレットに父の写真が小さく載ってます)のみなさんをはじめ、親族や近所の方々の支えもありまして、母(現在81歳)も元気にやっております。
パパゲーナさん
そのジャンヌ・モローみたいです。「恋人たち」という映画からとのこと。
パンダマン3世さん
死別反応、なぜDSM-5でなくなったのかよくわからないのですが、大切な概念だと思います。
みなさんしっかり立ち直られたようで何よりです。
仮面ライダードライブを観て、おお!ナイトライダーだ!と大喜びでした。仮面ライダーはやっぱり親世代も楽しめるようになっていますね(^▽^)。ゴーバスターズはマトリックスでしたし。仮面ライダードライブの高速道路がシューッと伸びてくる映像はクールでときめいてしまいました。成人式のスーツ姿みたいにまだスーツが板についていない泊君、気が付けば柏先生とへんが違うだけじゃないですか!先生はもうお気づきで、かなり喜んでいらっしゃると思いますが。
うつと言えば、これから日がどんどん短くなって寒くなると季節の変わり目で肉体的にも精神的にも要注意だと思います。日中は結構暑かったりしますよね。今日と明日の気温の変動が大きかったり。とりあえずゆっくりお風呂にでも入ろうかと思います。入浴剤をちょっと贅沢にしたりして。
まねきねこさん
たしかに泊と柏と近いですね−。気づきませんでした。
お風呂はいいですよね。血流をよくすることは脳にも大事です。