こころの健康アラカルト

子どものわがままへの対処

「最近、子どものわがままがひどくなり困っています。どのように対処したらいいでしょうか。」30歳・女性からの相談です。
ご相談者は、半年前に女児を出産しましたが、その頃から上の子(4歳・女の子)のわがままがひどくなったと感じているそうです。
例えばお気に入りの服を着せてもらわないと「外に行きたくない」と泣き叫んだり、お気に入りのタオルを洗濯のために取り上げようとすると激しく拒絶するそうです。ご相談者は、「妹ができて不安なのかもしれないが、言う事を聞きすぎるとわがままな子どもに育つのでは」と心配し、「どのように対処すればよいか悩んでいる」と言います。
このケースでは、ご相談者に子どもの「わがまま」について誤解があるようです。服やぬいぐるみ、タオルなど、子どもには誰しも「お気に入り」があります。これらは「移行対象」と呼ばれ、母親から精神的な自立を果たす過程で誰もが手にするものです。子どもにとってそれらの服やタオルは「母親代わり」ですから、取り上げようとすれば激しく拒絶するのは当然です。もしそれ以外に気になることがなければ、全く心配することはありません。
こうした説明を聞いても納得できない場合は、むしろご相談者が育児ノイローゼなどの心の問題を抱えている可能性もあります。気になることがあったら、早めに専門家にご相談下さい。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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