こころの健康アラカルト

自分を傷つけてしまう「自傷行為とは」

若い人に多いリストカットに代表される自傷行為。原因となる背景疾患などについてお話ししましょう。
自傷行為とは、自分を傷つける行為で、リストカットのほかにも自分の頭を壁に打ちつける、首をつる、階段から飛び降りる、大量の飲酒や服薬など多岐にわたります。 原因となる背景疾患はとして一番多いのは境界性パーソナリティ障害だと思われます。発達障害や精神遅滞、うつ病などでも認められますが、摂食障害の過食も自傷行為ととらえることがあります。
境界性パーソナリティ障害では非定型うつ病をほぼ合併するため、抑うつ状態を解消しようと自傷行為をする場合もあります。また、発達障害・精神遅滞は、言いたいことが伝わらず行うことも。うつ病の場合は単に傷つけるだけでなく、自殺が目的の場合もあり見極めるのが難しいです。
境界性パーソナリティ障害は若い人に多く見られます。発達障害の子どもの場合では成長に従い、言葉での表情や感情調整、社会適応ができるようになると改善される場合もあります。まずは相談を。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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