「若い社員を叱ったところ、翌日から出社しなくなりました。後日、うつ病の診断書を提出し当分休職することに。同僚には『新型うつではないか』と言われ、今後の接し方に悩んでいます。」40歳・男性からの相談です。
「ミスが続いていたので叱ったが、特別強く叱ったつもりはなかった」というご相談者。いわゆる”新型うつ”だとしたら、部下と今後どのように接するべきか分からないと言います。
「仕事には行けないのに遊びに行く」など、若い人の行動を説明する「新型うつ」という言葉が知られるようになっています。しかし現在は確立されている観念ではなく、安易に使うことはできません。
ただ、この場合は「非定型うつ病」で十分に説明できると思います。「非定型うつ病」はもともと若い人に多く、依存や他責的傾向が強いのが特徴です。ミスの原因を周囲のせいにしがちな一方で、対人関係に過大に反応し、引きこもる傾向があります。 またもともと「うつ病」が背景にあり、叱られたことがきっかけで限界を超えたのかもしれません。
いずれにしてもそのまま復職した場合、再発の可能性が十分あります。復職前に叱った際のやりとりを検討し、本人がどのように受け止めたのか聞き出しましょう。誤解であることを上手く伝えれば、関係の強化にもつながると思います。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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