横浜院長の柏です。今日は、アメリカ・ジョンスホプキンス大学(JHU)精神科教授の沢明先生(写真右)の講演会を聞きに、六本木ヒルズに行ってきました。JHUといえばアメリカ、いや世界最高峰の病院・医学部の一つです。今日は「分子脳科学を包含した精神科医療の未来」と題して、沢先生の熱い想いが伝わる素晴らしい内容でした。薬物療法がいくら進歩しても、それだけでは精神疾患は治らないこと。しかし、薬物療法、脳科学の考え方なしによりよき治療に近づくことはできないこと。精神疾患はただの脳疾患ではなく、全身疾患の一部として捉える視点が大切であること。統合失調症や双極性障害など、操作診断では区別されているが、家系研究や遺伝子発現研究などからはそれらは区別されない可能性があること、最近沢先生はpsychiatric illness(精神科疾患)という言葉を避けてpsychiatric condition(精神科的状態)という表現を好まれているということ。さらには教育、大規模臨床研究の重要性、そのための他職種連携〜特に基礎研究者と臨床スタッフ(コメディカルなど)の連携の重要性まで、母国の臨床家に向けた優しさと叱咤激励と受け止めました。
今や世界の精神医学を牽引する沢先生ですが、私とは妙なつながりがあります。大学では私の2年後輩にあたり、医科研で分子生物学を専攻していた沢先生に精神科の面白さを説いたり、私の留学の際には患者さんをたくさん引き継いでいただいたり(翌年彼も渡米するのですが)、さらには私が留学する際に積み残した学位論文の手続きを図々しくもお願いしたり(汗)、滋賀時代の教え子たちがJHUでお世話になったり。なお、その教え子の一人、神谷篤先生もJHUでラボを持ち活躍中であり、後輩が2人も天下のJHUで活躍しているというのは誠にうれしい限りです。私が横浜に移ってから沢先生に会うのは初めてでして、久々に旧交を温めることができました。会場は六本木ヒルズの上層階。写真にも東京タワーがちょこっと写っていますが、東京タワーやレインボーブリッジを見下ろす、まさに絶景。ヒルズ族、ホリエモンがこの夜景を見て天下を取った気になるのがよくわかったひとときでした。次回、リチウムの話に戻ります。
コメント
すみません、副作用がひどかった薬はセロクエルではなくてエビリファイです。まちがえました。でも、非定型は、多かれ少なかれ、筋肉の変な感じがダメなので、合わなかったという事でしょう。柏先生が処方されたのではないので、謝らないでくださいね。エビリファイは、副作用を訴えても主治医に信じてもらえないという患者さんが結構いました。当時、新薬でしたからね。効かないはずはない、このくらいで副作用が出るわけない、とか。特に若い医師ほど、その傾向が強かったようで。やれやれ。
私はこの前、寄生虫の大家の講演で、寄生虫がいなくなったのも現代人がうつにかかりやすくなった一因だという説を聞いてきました。おなかに善玉菌がいて、大きなウンコをする民族は自殺率が低いそうで。善玉菌とウンコすっきりはいいとして、おなかにサナダムシとかカイチュウと共生はちょっとなあ・・・でした。どうですかねえ~他の患者のみなさま。うつがなおるなら、虫くらい!という人が多かったら、私も考えちゃうかも。
病気が良くなるなら、虫がいてもいいかな? って少し思いました。
今回は、研究者の努力の一端が垣間見られた感じですね。
いろいろな方法で試されて、良くなりたいです。
こんにちは。
寄生虫とうつですか・・・。うーん初耳ですね。花粉症とか、アレルギー疾患が増えたのは寄生虫を飼わなく(^_^;なったことと関係があるのは事実だと思います。が、さすがにうつや精神疾患と結びつけるのは無理がある気がしますが。寄生虫学の先生方って、みなさん自分で飼ってるんですよね・・・。私には無理だなぁ・・・。