「幼い頃から他人に心を開くことができず、親友と呼べる人もいません。最近そうした自分を価値がなく虚しい人間だと感じてしまいます。」30歳女性からの相談です。
ご相談者は3歳のお嬢さんのお母さんです。2年前に現在の土地に引っ越してきたそうですが、「ママ友」ができないことで寂しさを感じ、それを自分自身の価値の低さに結びつけてしまっておられるようです。
極端な人見知りや周囲との人間関係を結ぶのが難しい、また傷つくことを恐れて他人に心のうちを見せられないという人は、回避性パーソナリティ障害などの心の病が考えられます。
ただ、ご相談者は夫婦関係も良好で、友人が出来ないことを過剰に心配しているように感じました。誰でも出来上がった人間関係のなかに飛び込んでいくのはエネルギーがいるものですから、あせりが禁物です。
また今はお子さんが幼稚園に上がる前ということで、社会との関わりが少し薄い時期と言えます。幼稚園が始まると、行事に参加したり役員をやったり周囲と接する機会が増えますから、そこから友人が出来る可能性は多くあります。
こうした虚しい気持ちや元気が出ない状態が長く続く場合は、問題です。軽いうつを発症している可能性もありますから、その際は心療内科などを受診し、専門家のアドバイスを聞いてもよいでしょう。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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