横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.033 本格派

横浜院長の柏です。皆様年末年始はいかがお過ごしでしたか。私はぐんまでまったり過ごしておりました。元旦は実家のそばで、2日3日は横浜のわが家のそばでとこの時期は駅伝ばかりになります。
ふだんゴーバスとライダーしかテレビを見ない柏先生ですが(そういえばゴーバスの後番組はキョウリュウジャー・・・うーむ)、年末年始はあほな番組も見るわけです。格付けチェックは結構好きだったりします。が、テレビを席捲している「芸人」たち。見ていましたが、何が面白いんだか私には皆目わからないですねー。政治への風刺や哲学があるわけでもなく、お決まりの台詞や表情で笑いを取る。当意即妙なスピード感はあるかも知れないが、あの存在感の軽さは何でしょうか。
もちろん昔から上方では吉本新喜劇は隆盛を誇っており、それは浪速文化の流れの中では自然に位置づけられていたわけですが、こうして全国区となりお茶の間に最前線で出てくるようになったのはいつ頃からでしょうか。それはお笑いタレントが「芸人」と呼ばれ、市民権を得るようになった頃からなのでしょう。
反射神経よく何でもポンポンと答え、その場の満足を得ること。今の時代に好まれる人間像、コミュニケーションの姿は本当に正しいことでしょうか。大切な事をなすためには、じっくり時間をかけて勉強し、考えることが必要ではないでしょうか。スピードを出して走ると、事故も増えるし、景色をゆっくりと楽しむこともできません。野球だって、変則投手よりは本格派の剛速球。俊足打者の4本の内野安打よりも長距離砲の1本のホームランの方が見応えがあります。これからの日本は、そうした「本格派」を時間をかけて育て、評価する方向へと変わってほしいものです。
思うにメランコリー型のうつ病の方は性格的に生真面目で、じっくりと物事に取り組むのが得意な「本格派」の方が多いと思います。現代社会の求める臨機応変、当意即妙とは本質的に相容れないわけですが、じっくりと時間をかければ大きな仕事の出来る方々です。双極性障害の方は気分のムラがありますので、その時の気分に合わせてマイペースに動ければ調子よく過ごせます。事業で成功するような方にも多いです。しかし、うつに転じたときには世の中のペースとの落差が急に大きくなりますので、うつ病の方以上につらく感じられるようです。世の中のペースを気にせず、まぁどうせまた元気になるからそれまで待つかぁ、とのんびり構えられると実は治りも早くなります。また発達障害の方は、基本的にコミュニケーションの特性が強く、臨機応変は大の苦手です。また好き嫌い、得手不得手がはっきりしており、得意分野を時間をかけて育てることができれば、職人的な分野で素晴らしい力を発揮する方々もいます。今のスピーディで軽薄な世の中は、こうした患者さんたちにはなかなか生きづらいように感じます。しかし、遠からず皆さん、すなわち本格派の方々が必要とされる時代が来ると思います。
今年は皆さん、あわてずに本格派を目指して地道にいきましょう。私もしっかり勉強を重ねて、本格派の精神科医・心療内科医として治療にあたりたいと思います。
・・・ちょっとジジくさかった?

コメント

  1. まねきねこ より:

    先生は帰省なさったんですね。私は年末の忙しさに、文字通り忙殺されました。
    正月はまさに戦の後。年末年始は通常番組がお休みで、芸人がバカ騒ぎしている
    だけの番組ばかりで、私も苦手です。一昔前は正月用の華やかな時代劇があって
    それなりに楽しみもあったのですが、不況なんでしょうかねえ~。例外に、マツコ・デラックスがあるんです、私としては。なかなか鋭い洞察力が好きです。しかし、なぜか神奈川県と横浜市をライバル視しているのが冷や汗です^^;)
    で、群馬名物のおいしいものって、なんですか?そばなんかおいしそうですが、これは群馬の!って何かがあったような気がします。確か・・・。

  2. 隊長 より:

    90年に社会人となり、見事に「軽薄短小時代」を作っていました。
    確かに、「本格派」を見なくなったなあ、と。
    僕も、時間さえかければ、のタイプだと自分では思っていますが、デイケアのプログラムなんかでは即断即答のため、当意即妙なのかな? とも思ってしまいます。
    ただ、じっくり時間をかけないと、仕事で成果を出せないのは、今の世の中では必要とされないのが辛いですね。
    今の職場、緊急性が高いので、置いて行かれてる。
    妻の実家が前橋なので、群馬のおいしいものと言ったら、祭事に良く出る「もち」ですかね。

  3. 横浜院長 より:

    まねきねこさん、隊長さん
    今年もよろしくお願いいたします。今週は忙しくてブログパスです。すみません。
    群馬名物といえば、焼きまんじゅう(においは絶品、味は・・・うーん)、銘菓旅がらす(誰も知らない・・・)。でも最近オススメ登場。ガトーフェスタハラダのラスクです。これは絶品。なかなか手に入らなかったのですが、最近そごうにも出店しましたね。これも群馬です!
    世の中にはじっくり本格派と、スピードを得意とする人がいます。それぞれがそうした役回りにつければ会社も充実発展し、社会も豊かになりますよね。会社に社会にじっくり待つだけの余裕がないのが現代日本の問題点でしょう。デイケアも、現実への折り合いを考えると即断即答的なプログラムをやらざるを得ないのがつらいところですね。
    「隊長」と聞くと「キリヤマ」とか「ムラマツ」とかカタカナばかり浮かぶ柏先生でした。