こころの健康アラカルト

周りの人から敵意をもたれていると感じる

「周りのすべての人から敵意をもって見られているような気がします。歩行中に前からくる人が自分をにらんでいるように感じ、道を譲れと主張しているように感じます。」30代女性からの相談です。
一般的に、歩行中はだれもが愛想の無い顔をしているもの。特に都会では一層その傾向が強いでしょう。
そこで、目線の位置を改善するだけで、問題が解消する可能性もあります。胸元や腰あたりに視線をむけると、目を合わせることもなく安全。看板や信号を見るように意識するのも良いでしょう。このような取り組みで改善するのであれば、問題ないと思います。 しかし、それでも敵意を感じてしまうようであれば、心の病気を疑うべき。原因となる病気にはいろいろなものが考えられます。
このような状態にあるのは、子どもの頃からなのか、または大人になってから突然気になるようになったのでしょうか。
子どもの頃から感じている場合には、双極性障害、社交不安障害、うつ病などが多いかもしれません。思春期頃からとなると、統合失調症、パーソナリティ障害などを加えることになります。大人になってから突然このような症状が認められた場合には、脳腫瘍など悪性新生物、適応障害などが考えられます。
まずは専門医を受診し、しっかりと原因を確認した方がよいでしょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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