「極度の潔癖症です。少しでも部屋が汚れていると耐えられません。また、不潔な人にも強い嫌悪感を抱いてしまいます。」こんな質問が。
これは、汚れることに恐怖を抱く不潔恐怖症と考えられます。
例えば、電車の手すりを触るのが嫌だ、コートの裾が汚れていると思い執拗に確認してしまう、公衆トイレの便座に座るのを極度に嫌がるなど、症状は様々あります。程度の差はあれ、同様の感情を持つ人もいるのではないでしょうか。
潔癖の度合いが強くなると、手袋をしないと物を触れなかったり、携帯電話を消毒したり、ひび割れるくらいに手洗いをするなどの行動が見られることもあります。 このような不潔恐怖症の人は、手の汚れなどを落として清潔にしなければ、という強迫行為、また、汚れているのではないかという強迫観念、その他にも強迫性障害という心の病気を患っているケースが多いと考えられます。
これらの病気は、認知行動療法や薬物療法である程度の症状の改善が見込まれます。強迫行為については9割程度が、また強迫観念は5割程度が改善されているデータがあります。
ご質問のような状態により、普段の生活に支障をきたすようであれば、少しでも生活の質を改善するためにも、早期に専門家に相談することをお勧めします。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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