こころの健康アラカルト

感動することがない

「最近、映画やテレビなどを見ても感動することがありません。無反応なのが心配です。これは心の病気と関係あるのでしょうか。」こんな質問をうけました。
この症状は、うつ病の典型的なものと言えます。興味をそそられる物事がなく、心の動きが平板化するつまり失われている状態と考えられます。
何に関しても無反応、無感心なだけでなく、不安感が強かったり、不眠、疲れやすい、身体がだるいなどの症状があれば、心の病気を疑うべきでしょう。
何をしても楽しくない、食事も美味しいと感じないというのも、症状の一つと考えられます。
このような状況の場合、うつ病の他に「そう」と「うつ」を繰り返し、感情の振れ幅がとても大きいそううつ病のうつ状態や、一般的に不安や幻覚、被害妄想などに見舞われるとされる統合失調症も考えられます。
また、稀にみられる病気として失感情症もあります。この病気は、うつ病などと異なり、周囲に対して無関心であり、患う期間が長く続くことが特徴です。 高齢者の場合は、ご質問のような症状があると、認知症の発症する前段階の可能性もあります。
いずれにしても、心の動きがなくなっている状況は、健常な状態とは言えません。ですので、早めに専門医に相談し、その原因を確かめることをお勧めします。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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