「受験勉強で他人の子どもの成績がとても気になり、自分の子どもにきつく当たってしまいます。」
受験競争の中、保護者が自分の子どもを優位にさせたい思いで、他の子どもを傷つけてしまう痛ましい事件が過去にありました。
確かに、以前は受験競争が激しく、保護者はとても神経質になっていたと思います。しかし、現在の社会状況を見れば、受験競争を勝ち抜き、いわゆるブランド校に入ったからといって、人生の成功者になるとは言えなくなりました。なぜなら、子どもの数が減ってきたからです。一部の学校を除き多くの受験校は、学生数確保に必死なのが実態。
また、こんな分析結果もあります。大卒と高卒の10年後の所得を比較しても、月収で1万円程度の差しかない、つまり、学歴で決まる仕組みは、過去のものと言えるのです。これから必要とされる能力は発見や創造する能力だと思います。私見ですが、これはあまり受験勉強の優劣に関係しないように感じています。
ですので、まずは子どもを取り巻く環境を客観的に見て現実認識を改めることをお勧めします。そうすれば、自分の子どもにきつく当たることも、減少するのではないでしょうか。 それでも、状況が改まらず執拗に当たってしまうようであれば、うつや強迫性パーソナリティ障害など、心の病気を疑うべきです 。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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