子どもの潔癖症についてお話ししましょう。
症状と発症の理由は、潔癖症は”不潔恐怖”とも言われ、手の汚れが気になって何度も手洗いをする、体を不潔に感じて、一日に何度も入浴する、汚れが気になってかばんなどを床に置けない、などの強迫行為が見られます。子どもの場合は、行動モデルとなる親や家族のこだわりや強迫因子が強いほど発症しやすいと言われます。
家族はそれらの行動を注意してもよいのでしょうか。注意して改善できる程度であれば問題ありませんが、病的な執着心で行っている場合は一旦注意を止めて専門医に相談しましょう。治療の進み具合に合わせて適切な注意を促すことが有効です。また、従来からある家庭内のこだわりなどを極端に変えてしまうと”家での居場所がない・・・”と感じてしまうので気をつけてください。
治療方法は、投薬と認知行動療法で行います。強迫観念を消し去るのは難しいですが、強迫行為は改善されます。手洗いや入浴時間などが軽減すれば、それらに費やしていた無駄な時間が減り、行動の幅が広がるので、生活の質が改善されます。学生のうちなら、高い確率で改善が期待できます。早期治療のためにも、お子さんの異常に気付いたらまずは専門医へ。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
コメント
一年生の娘も先週から突然手洗いや、手のにおい、汚れに過敏になりました。私以外の人に触れられるのもダメで、学校でもトラブルをおこしました。日に日にエスカレートしているようで、一週間前には平気で触っていたものも、今は触れません。どう接していけばよいのでしょうか?
ハートクリニックの浅井と申します。精神科医師です。
お嬢様の手洗いや汚れに対する過敏症状、とてもご心配のこととお察し申し上げます。まずは、強迫性障害という病気のの疑いが強いようですので、ご受診させてあげることをお勧めします。
症状の状態などによって、接し方を変える必要がありますので、まずは、医師をご受診の上、ご相談いただくのが良いと思われます。
ご受診前の現時点としましては、そっと見守っていらっしゃるのがよろしいかと思われます。
お大事にどうぞ。
浅井逸郎