治りにくいからといって、重症とはいえません。
通常の治療では、なかなか症状が改善しない患者さんがいらっしゃるのは事実です。こうした場合、「難治性うつ病」と呼ばれることがあります。この言葉は、”重症”というイメージを持ちがちですが、必ずしもそうとは限らず、実は定義はいろいろです。「1種類の三環系抗うつ薬に反応しないもの」という比較的広く定義付けをしているものから、「2種類の抗うつ薬に反応しないか、1種類の抗うつ薬と通電療法に反応しない」、「最低2年間のうつ病相の持続」という条件を加えたものまであり、とても幅広い状態を含んでいるのです。
こうした「難治性うつ病」の原因としては、次のようなことが考えられています。
•処方されている薬が多すぎて、副作用が出ている
•他に身体的な疾患をもっている
•実は、他の精神疾患だった
•他の精神疾患を合併している
•薬を指示通りに飲んでいない
•職場や家庭の環境が厳しく、治療に非協力的
「難治性」とされた患者さんでも、比較的軽い症状を残しつつも、職場復帰をされている方もいらっしゃいます。悲観せず、前向きに治療に取り組んでいきましょう!