「青い鳥症候群(シンドローム)」についてお話ししましょう。
自分がいる場所に何か問題があると考え、それを努力して改善しようとするのでなく、完全な場所(=ユートピア)を求めて転々とすることをいいます。
問題を現実的に解決していくとか、欠陥を改善するとか、ある程度妥協して現実と折り合いをつけるなどができないため、学校や職場、バイト先などを転々とし、行く先々で完全でより良い場所を求めていきます。
なりやすい人は、「自分がうまくいかないのは、親や環境が悪い・・・」などの依存的願望を持ち、思春期を経ても大人になることができずにいる人に多く見られる傾向があります。
治療方法は、カウンセリングを通じ、「どこかに完成されたユートピアがあるというのは幻想である」ことを受け入れ、「自分の環境は自分で作るもの」という自己責任に目覚めさせことが重要です。また、自己の抱える現実の問題は、改善・成長のチャンスであるという意識に導くことが有効です。似たような現象としては、白馬の王子さまの登場を待ち続け、自分で結婚相手を見つけられないために、いつまでも独身でいる女性などが挙げられます。
気になることは専門医に相談してください。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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