この記事はこちらからの続きです。
「自閉症って何だろう」の最終回は、治療と患者への接し方についてお話ししましょう。
自閉症は完治が見込まれていないのが現状です。しかし、働いている認知機能を使って社会に適応させるように導くことが有効手段と考えられています。
言語によるコミュニケーションに障害があっても「図は理解できる」「触ると分かる」など、言語を各自の理解できるものに変換して習得させていきます。 投薬は効果的かといえば、根本的な治療に対する薬はありませんが、不安、ストレスなどから「うつ病」を併発するなど、合併的な症状に対しての投薬は有効と考えられています。
周囲はどのような配慮をすべきでしょうか。私たちは通常先入観に頼って生活してしまいがちですが、自閉的で独特な解釈をすることが多い自閉症の人に対しては、「出来上がりの解釈」ではなく「ケースバイケースな考え」で付き合っていくことが大切です。例えば「誕生日プレゼントをあげたら喜ぶはず」などという何気ない行動で相手を追い込んでしまうこともありえるのです。何事も固定観念にとらわれない付き合い方が必要です。
自閉症に関する悩みは専門医に相談してください。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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