汗ばむ夏場は体臭が気になりがち。 これは思春期に多くみられます。
自分の体が異臭を放ち周りに嫌がられていると思い込んでいて。いくら「違う」といっても納得しないのが特徴。本当ににおっているか確かめる必要があります。
におっている場合は、脇や陰部にあるアポクリン汗腺から出る粘液状の汗はにおいがあり、敏感な人はこの独特のにおいに悩んでいるケースが多いです。保護者で失敗しがちなのは、傷つけまいと「におっていないよ」と嘘をついてしまうこと。否定せず現実を受け止めてあげましょう。ごまかしたりすると、当人は「自分の苦しみが分かってもらえない」と必要以上に落ち込んでしまう危険もあります。家族など身近な人は、辛さを受け止めて理解を示すとよいでしょう。
におっていない場合は、思い込みや妄想からくる幻嗅(げんきゅう)を来している場合があります。脳の嗅覚情報が壊れ、過去に嗅いだ強烈なくささがよみがえり、あたかも自分のにおいのように感じてしまうのです。一例ですが、「電車や学校の講堂などで自分の隣に人が座らないのは自分がにおうからだ」と思い込んでいた女子高校生がいました。におい以外の面で本人の自信を取り戻させるよう、対話に重点を置いた精神療法と薬物療法を続け治療に成功しました。自己診断せず、おかしいなと思ったら専門医へ相談を。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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