糖尿病患者さんを対象にした様々な調査で、糖尿病患者さんがうつ状態になっているケースが多いことが分かってきました。
ただし、全ての糖尿病患者さんがそうなるわけではありません。周囲に親身になって支えてくれるパートナーがいたり、仕事があり経済的な不安が少ない患者さんは、独身者や仕事がない患者さんよりも比較的うつ状態になりにくいとも言われています。
医師や周囲の人が、治療の大変さやこれからの不安など、患者さんが抱えるこころの問題を早く適切にケアしてあげることが、うつ状態にならないためには大切です。 おくすりによってうつ状態を改善するという方法もあります。これまで使われていたおくすり(抗うつ薬)の中には、糖尿病の病態に良くない影響を与えるものもあったのですが、数年前から日本で使用されるようになったSSRIという種類の抗うつ薬は、糖尿病の治療には悪影響を及ぼさないと考えられています。
患者さんにどのようなこころのケアが必要になるかは、医師が患者さんの状況をみて決めてくれます。