福祉用語の基礎知識

精神科訪問看護

訪問看護とは、対象者が在宅で病気や障害を受け止め、それに対処できるように、その人たちの生活の場へ出向いて生活に即した身近なやり方で支援することであります。
1965年の精神衛生法改正の際、訪問指導として保健所保健師等が訪問活動を始めたが、医療機関による精神科訪問看護は、1986年の精神科訪問看護料保険点数化以降、広く行われるようになりました。1994年より訪問看護ステーションからもできるようになりました。
診療報酬における訪問看護は、精神科医の指示の下で、保健師・看護師・精神保健福祉士等が従事すると規定しています。1995年に成立した精神保健福祉法では、社会復帰への支援のみならず、ノーマライゼーションの視点に立った支援が求められるようになりました。訪問看護もリハビリテーションの一手法として地域生活を支援するネットワークのなかで重要な役割を果たすようになりました。
精神障害をもつ人たちは、思考障害を伴い治療や関わりを拒否することがあるため、本人の自立を目指し、本人の意思を尊重して行われます。また、状態が変動しやすいため日常生活上の支援のほかに、治療継続への支援、再発時の対応や服薬指導も行っています。様々な社会資源を活用し地域のなかで円滑に生活できるよう支援が行われています。