ICFとは、2001年にWHO(世界保健機関)が提唱した、国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health)の略称です。
1981年の国際障害者年以降、障害を個人の問題とするのではなく、環境との関係でとらえる考え方が広まってきています。 ICFは、こうした考え方を、理論的に整理したモデルです。
ICFでは、本人の活動や社会参加にプラスに働く要素(例えば、本人が能力を発揮できるように環境を整えたり、援助をしたりする支援者など)を、「促進因子」と呼んでいます。この考え方でいくと、たとえ支援者であっても、その働きかけ如何によっては、本人にマイナスに働く「阻害因子」になってしまうといえるでしょう。つまり、障害があること自身が原因で、「活動」や「社会参加」が実現しないのではなく、周囲の環境との関係に本人の能力の発揮は多分に影響されるということが分かります。
ICFの図でいうと、「心身機能」→「活動」→「参加」という流れに、環境因子が影響を与えている様子が見てとれます。