そんなことはありません。
不安とは、「明確な対象をもたない怖れの感情である」と定義されています。つまり、自分自身に漠然とした危険が迫り、自分がそれに対処できないかもしれないと感じたときに、生まれる感情です。
今までに不安な気持ちを一度も感じたことがないという人はいないはずです。不安は私たちが日常的に感じている感情で、人が生きていくための一種の防衛反応であるとも言われています。例えば、外出する前にふと不安になってドアのカギを確認し、鍵を閉め忘れていたことに気が付くということもありますし、女性は暗い夜道では不安を感じるために、なるべく一人で夜道を歩くことを避けたりします。このように、もし人が不安を感じなければ、私たちの生活に様々な危険が生じる可能性があります。
不安を感じると、私たちの身には、3つの反応が現れることがわかっています。ひとつは、身体的な反応、そして非常に強い不快感、最後に回避行動です。
こうした反応が起こりえることを知ることは、過度な心配をなくしたり、不適応的な行動を修正するのに役立ちます。