アルコール依存症についてお話しましょう。
依存へのプロセスは、ギャンブルなどの行為への依存と異なり、アルコール依存症は精神に作用する物質的な依存症といえます。飲酒の習慣年数が男性なら10年以上・女性は5~6年以上で、さらに原因となる遺伝子がそろうと、依存症の可能性が高まるといわれています。
飲酒の習慣が続くと、2~3年で体の耐用量が増大して、以前と同じ量のアルコールでは同じ程度の満足を得にくくなります。初期の段階では飲酒を毎日したくなり、さらに習慣化すると、アルコールが体内に入っていないと安定できなくなります。 では本人は依存に気づくことができるのでしょうか。
自覚しても認めないことが多く、自分から専門医に出向くことは難しいようです。そのため、治療に向けて家族などの周囲の協力が大切です。依存症のきっかけが睡眠障害などの心理的な背景が考えられる場合、不調となる原因を解消する必要がある場合もあります。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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