もしかしたらばい菌が付いていたり、病気が移ってしまうのではと心配で学校やデパートなどのトイレに入れなかったり、電車やバスのつり革を掴むことができないということはありませんか。
他人が触れた物が不潔に感じ病気になるのではと過度に恐れてしまう症状は「不潔恐怖」と呼ばれます。なかにはトイレのドアノブをハンカチで掴まなければ開けられなかったり、外出時は手袋を持ち歩かなければならない人もいます。
また、家に帰ってからも、いくら洗ってもきれいになった感じがしないと30分、40分と手を洗い続けてしまう洗浄強迫がみられたりします。
このようなこだわりの強さは強迫性障害に多くみられます。不安が強い全般性不安障害や統合失調症、パーソナリティ障害などが背景にある場合も同じような症状が伴うことがあり、その病気の改善が必要になるケースもあります。
症状が続くと外出が嫌になったり、常に緊張していたり、日常生活に支障をきたして苦しい思いをしてしまうことが多いといいます。
「清潔」も度が過ぎてしまっているのではと感じる方は、専門科に相談してみてはいかがでしょう。
ハートクリニック院長 浅井逸郎