アルコール依存症の怖さとは?
お酒の常用は一般に考えられる異常に危険を伴います。特に飲酒が午前2時、3時になる人は要注意。
習慣飲酒を男性は通常10年、女性は7年程度続けると、アルコール依存症を発症することがあります。ベースに心の問題を抱えていれば男性で7~8年、女性で3~5年という短期間で依存症になりうることも知られています。
20代で飲酒を始めると、30代半ばで依存症を発症してしまう方が現れます。会社員で20、30代というのは社会的に鍛えられる大切な時期。この時期に飲酒で憂さを晴らすことに慣れてしまった人は、現実の問題で悩んだことがなく、問題解決能力を十分発達させる機会を失っています。
お酒を常用する人は、上の人たちには、ある意味使いやすい人たちです。お酒を飲むことで、嫌な現実や考えねばならない問題を忘れ、翌日に持ち越さないようにしていますから。しかし彼らが管理職の年齢になると、問題は一気に表面化します。現実的な対応能力が培われていないので、その能力が問われる場面になると破綻してしまうことがあります。10年のブランクはとても大きい。
アルコールでごまかさず、問題を解決する能力を身に付けていけば、人は成長します。悩む時間を持つことは、大切です。本来持っているその人の能力が発揮されれば、社会的に大きく貢献することもできるかも知れません。
ハートクリニック院長 浅井逸郎