まず「あがる」ことは誰にでも起こり、大人数の前でプレゼンテーションや面接のときに緊張し、ドキドキするのは正常な反応です。むしろ緊張することで日常生活以上のパフォーマンスを発揮することもあります。
治療が必要な「あがり症(社会不安障害)」とは過度に緊張が高まり、激しい動機や冷や汗、頭の中が真っ白になってしまうような強い自律神経症状が出てしまうものを指します。そして「次はまた失敗してしまうのではないか・・・」という恐れ(予期不安)が無意識にあがる場面を避けるようになってしまうという悪循環に苦しんでしまいます。
今までは病気として認識されていなかったため、個人の性格・性質と誤解されていましたが、脳の表情認知を司る部分の異常が見られる「病気」で、性格ではありません。病気ですので、治療することでかなりのケースを改善することができます。抗うつ薬や抗不安薬と簡単な行動療法で回復し、最終的には薬がなくても大丈夫になり、完治ができるものが多いです。不特定多数を対象としたあがり症でなくても対人緊張が強いと思われる人は専門家と話し合い、原因を究明、対処、治療することで改善できる場合が多いので、診療内科で診てもらうことをおススメします。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
コメント